BLOG コラーゲンの種類

コラーゲンの種類

2020.05.29

前回、からだの中のコラーゲンは、大きく分けて4つの役割を持っていることを書きましたが、からだの部位によって、そのコラーゲンの種類も分かれています。


Ⅰ型コラーゲン

からだに最も多いタイプのコラーゲンで、骨の弾力性や真皮(肌の強さ)に貢献しています。多くの組織のコラーゲン繊維の主成分です。

骨をブロック塀につかわれているような鉄筋コンクリートに例えると 外側のコンクリートに相当する部分がカルシウムで、鉄筋に相当する分がコラーゲンといえます。大雑把に言うと骨はコンクリート部分(カルシウム、ハイドロキシアパタイト)と鉄筋部分(コラーゲン)が半分半分で成り立っています。

皮膚の真皮を構成しているのは、結合線維(コラーゲン)や弾力線維(エラスチン)です。コラーゲンは牽引力の強い線維で、体を支えたり保護、強化の役目を果たしています。

※ちなみに、エラスチンはゴムのように弾力のある蛋白質線維で、こうした線維が網の目のようにからみあって、はりのある皮膚を形成しています。

<骨に関する絵を準備中ですが、皮ふに関してはⅣ型コラーゲンの箇所をご参照ください。>


Ⅱ型コラーゲン

眼球の硝子体(液)や関節・軟骨の主成分です。

近年サプリメントで多く見かける「非変性Ⅱ型コラーゲン」については、

別の機会にご説明をいたします。


Ⅲ型コラーゲン

臓器や血管、子宮、口腔に含まれており、通常のコラーゲン繊維より細かい網目状の構造で細胞の足場になり、組織の柔軟性を確保します。傷が治る際にも最初の段階でこのコラーゲンが増加し、次第にⅠ型に置き換わる(治癒)とされています。


Ⅳ型コラーゲン

非繊維性。臓器の外側(上皮細胞)と内側(間質細胞)の間ある薄い膜状の基底膜(皮ふ図参照)と呼ばれる細胞外基質で、表皮と真皮をつないだり、臓器の形を支えたりします。


Ⅴ型コラーゲン

血管、平滑筋(※)、胎盤などに含まれています。

特に血管が劣化すると、血液がうまく流れず、さまざまな病気を発症する可能性があります。 それぞれの血管が丈夫で健康的な構造を保持するために重要な役割を担っているのがコラーゲンです。血管の中膜と外膜に存在するコラーゲンが、弾力性を保った「強く柔軟性のある血管」をつくり「血流」を良好に保ちます。

※ 平滑筋(へいかつきん)とは、横紋筋とは違い、筋節のない膜・壁のような筋肉で、血管、膀胱、子宮、気管支など、管状あるいは袋状器官では「壁」にみられる。消化管(胃・小腸・大腸など)では消化物を筋収縮により運ぶ役割を持つ。

<今、絵を用意しています>



<< 前頁Cinquis Blog次頁 >>



過去のブログ