BLOG 身近にあるコラーゲンは、まずは食べ物から....。

身近にあるコラーゲンは、まずは食べ物から....。

2020.05.15

私たちが日頃食べている食品の中にも、コラーゲンは存在しており、牛・豚・鳥の皮や骨、魚の皮などに顕著にふくまれています。

ある程度、分子量の大きさに従って形態が変わってきています。また分子量が大きいと、小腸から吸収されにくい、という特性があります。


以下、コラーゲンとしては、消化しにくい順、分子量(※1)の大きい順で記載をしています。

※1 分子量:

大雑把にいうと、分子1つの重さ(原子を基準に算出した質量)ですが、沸点や粘性、凝固点などの物性に変化を与える要素とお考え下さい。また一般論として、この分子量が大きいと小腸内の「消化管」では吸収できない、とされています。

※最近は例外もあることがわかってきています。対して、「分子数」は、単純にくっついている分子の数です。



(1)煮凝り(コラーゲン):(分子量:約30万)

昔からある食べ物として代表的なのは「煮こごり」です。鳥の骨や皮つきの肉(手羽など)や、魚をぶつ切りにしたアラなどを煮ると、これを器に入れ替えて冷ますとゼリーのような塊が出来上がり「煮こごり」となります。骨や皮を煮ることによって、熱を加えられていろいろと溶けだしてくるのですが、これがコラーゲンです。 ※あまり消化に良いという話は聞いたことがありません。


(2)ゼリー(ゼラチン):(分子量:約10万)

私たちがゼリーを作るときによく「ゼラチン」という粉末を使用しますが、動物(主に鶏・豚)からコラーゲン成分を抽出して精製したものです。

ゼリーを作るときに、ゼラチン粉末をお湯でふやかして、ジュース等に溶かし冷やし固めるなどしますが、精製されている分コラーゲンの分子としては「煮こごり」より細かいものになるため、お湯に溶けやすい状態になっています。


(3)コラーゲン分子(ペプチド):(分子量:約数千)

ゼラチンを酵素分解・精製し、水にも溶けるようにしたのが「コラーゲン分子(ペプチド)」と呼ばれるものです。

サプリメントとして使用するにあたって、胃での「消化・分解」の工程を、食品加工で完了させておこうとしているもので、「低分子コラーゲン」として販売されているものは、分子量:平均4500~5500とされているものが多いようです。


(4)コラーゲン・トリペプチド:(分子量:約数百)

コラーゲン・トリペプチドは、3個のアミノ酸からできたコラーゲンの「最小単位」で、大きさは食べ物に含まれるコラーゲンの1/1000、一般的なコラーゲンサプリメントの1/20〜1/50ととても小さく、そのままの形で小腸から素早く吸収されます。


食べ物に含まれるコラーゲンやこれまでの一般的なコラーゲンサプリメントは、アミノ酸がいくつも連なった大きなかたまりのため、そのままでは体内に吸収されず、胃腸で一旦アミノ酸に分解された後に体内に吸収されます。


そして、再びコラーゲンに合成されるという非効率的で遠回りな吸収の仕方をします。しかも、吸収されたアミノ酸の大部分はタン

パク質として合成され、コラーゲンとしてはわずかしか合成されないという致命的な問題を抱えています。


一方、コラーゲン・トリペプチドはそのまま腸管から直接素早くコラーゲンとして吸収されるので、一般的なコラーゲンサプリメントはもちろんのこと、アミノ酸よりも体内への吸収性が高い事が研究で証明されています。



(5)アミノ酸:(分子量:75~200前後) ※もうコラーゲンとは言いません。

コラーゲン分子(ペプチド)を含めた「たんぱく質」がさらに分解されると、「アミノ酸」になります。栄養となる「たんぱく質」のうち、からだを作っているアミノ酸は20種類、うち9種類が「必須アミノ酸」(※2) です。

※2: 必須アミノ酸:人のからだで必要量を自家産出できず、栄養分として摂取(食べる)必要なアミノ酸を指します。


コラーゲン・ペプチド由来のアミノ酸には、分子構成上「必須アミノ酸」は約10~13%前後しかなく、他の「たんぱく質」と比べて、コラーゲンは決して優良な栄養素ではありませんが、生物の、とくにヒトのからだの中では、ホルモンやビタミンと同じくらいに様々な役割を果たしています。



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