BLOG 10月は神無月(かんなづき)~神様は出雲にあつまる?
10月は神無月(かんなづき)~神様は出雲にあつまる?
2020.10.01
10月になりました。
新型コロナ禍の感染者数は膠着状態ですね。増減に一喜一憂しないと決めているのですが、もどかしい事この上なく...。
欧州では再び増加傾向がみられるようで、世界的な終息はかなり先になってしまうようです。
話は変わって、「10月=神無月」は全国各所の神様が出雲に集まってしまうので「神無し」というお話が由来だ、ということを良く聞くのですが、実は言葉由来での解釈では定かではないそうです。
この説は、平安時代以降に出雲大社近辺で参詣案内や宿の手配をしていた人たちの俗説(土産話みたいなネタ?)、ということが云われています。ということは、神在月(出雲限定)の言い方も同様のようですね。こういうお話はユーモアがあって大好きですが。きっと遠方から参詣した人に、サービスで面白おかしい話を聞かせたんでしょうね。
以下、「神無月」には所説いろいろあるようです。
- 諸神が出雲に集合し、他の地では神が不在になる月であるから〔奥義抄、名語記、日本釈名〕
- 諸社に祭りのない月であるからか〔徒然草、白石先生紳書〕
- 陰神崩御の月であるから〔世諺問答、類聚名物考〕
- カミナヅキ(雷無月)の意〔語意考、類聚名物考、年山紀聞〕
- カミナヅキ(上無月)の義〔和爾雅、類聚名物考、滑稽雑談、北窓瑣談、古今要覧稿〕
- カミナヅキ(神甞月)の義〔南留別志、黄昏随筆、和訓栞、日本古語大辞典=松岡静雄〕[8]
- 新穀で酒を醸すことから、カミナヅキ(醸成月)の義〔嚶々筆語、大言海〕
- カリネヅキ(刈稲月)の義〔兎園小説外集〕
- カはキハ(黄葉)の反。ミナは皆の意。黄葉皆月の義〔名語記〕
- ナにはナ(無)の意はない。神ノ月の意〔万葉集類林、東雅〕
- 一年を二つに分ける考え方があり、ミナヅキ(六月)に対していま一度のミナヅキ、すなわち年末に誓いミナヅキ、カミ(上)のミナヅキという意からカミナヅキと称された〔霜及び霜月=折口信夫〕
出典:Wiki 「神無月」- 各説の出典はそちらからご覧ください。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%84%A1%E6%9C%88
古語・古語転換がそのまま使われているケースは全国的に多々見られますし、どの説でも成程、と思います。
個人的には、こうした古い歴史/文化の話をはじめ、風土記や旧街道筋の郷土資料館を見て回るのが好きで、こうした俗説流布による文化定着のようなお話はかなりあります。
これから秋に向かうにあたり、秋晴れの日に気分転換でぜひ近所の郷土資料館へ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。もしくは図書館に地域の風土記的な冊子があるかと思います。
意外な発見があると思いますよ。自分の住んでいる街の見方がちょっとだけ変わってくるかもしれません。
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