BLOG 7月は文月(ふみづき)~マスク雑感~

7月は文月(ふみづき)~マスク雑感~

2020.07.01

さて、今回はその「マスク」についてです。とにかく「マスク」が手に入るようになって良かったですね。(まだ手に入りにくい地域があればすみません)普通にドラッグストアやコンビニでも見かけるようになりました。


今年の3月~5月は本当にマスクも手に入りにくく、特に医療機関・介護施設関連など常にマスクを使用し、日頃からマスクメーカーとお取引があるところでさえ入手が難しく、納期不明状態が続いていました。メーカーさんも割当にご苦労された事と思います。

【マスクの流通は思わぬところから】


入手困難の中、想定していなかったルートでマスクが出回るようになりました。


特に中国に工場を持つアパレル関連での対応が早かったように思いますが、従来からの取引で中国からの輸入ルート(海運でコンテナ割当のある)を持つ業者さんが、コロナ禍の状況から自分のルートで独自にマスクを日本に輸入していたようです。日本でも店頭には衣料品扱い店などから、ネットでも普段衣服を扱っているショップから「サージカルマスク」と書かれたマスクが並ぶようになりました。


ほかにも中国工場を持つ業者さんが多く対応していたようですが、3月の時点で中国国内でのマスクの材料となる不織布の高騰や、輸出規制などのリスクなど、かなり逼迫した状況にあったようです。


いまだ感染者の増加は気になりますが、マスク入手がたやすくなった今となっては、日々TVニュースに映る政治家の「マスク柄」を気にする余裕が出るようになりました。既にマスク柄などはファッション化している気がします。


ちょっと気にかかったのは、あの手ぬぐいマスク等は高性能といわれる「サージカルマスク」の類ではないですよね。もしかしたら中にフィルタを差し込めるようにしてあるのかもしれませんが....。多くの人の前で話す人たちも高性能の方がよいのでは?とふと思ってしまいました。



【サージカルマスクって何でしょう】


そこで、ん?まてよ。そもそも「サージカルマスク」って何さ、というお話なのですが、「サージカル(surgical)」は「外科の、手術の」という意味。通常は医療・介護現場もしくは医療用に使用されるマスクを示しているそうです。

何か国で基準を設けているのかな?と思ってマスクに関して少し調べてみました。


  • 産業用マスク(国家検定規格あり)DS2-日本の防塵マスク規格 / N95-米国NIOSH認定規格
  • 医療用マスク(業界団体自主規格)DS2相当、N95相当、サージカルマスク(ろ過率等の性能検証済)
  • 家庭用マスク(業界団体自主規格)防寒/花粉/風邪対策、ウイルス対策、PM2.5など防塵、手ぬぐいなど?

1.の「産業用マスク」は、主に産業粉塵や公害等の予防を目的として国が検定しているマスク規格で、昭和63年特にじん肺等の疾病予防のため(昭和期のアスベスト問題や鉱山・油田等での粉塵等の公害対策と思われます)に定義・公示されており、平成三十年に再度見直しがなされているものが最新のようです。

※絵的には外国の鉱山や油田での作業者がつけているマスクがこれに該当するかと。



【よく見かけるマスクは「業界団体による自発的な規格」】


マスク自体は大正時代にスペイン風邪が流行して以降インフルエンザや風邪などの予防習慣として使われるようになり、戦後は傷病時の衛生用品であるガーゼが主な素材として使われるようになりました。そもそも昔から手ぬぐいで口を覆うように頭後ろで縛り、掃除を行う姿がありました、もともと習慣として使われていたので、素材(布)があれば様々なところでマスクを作って供給する事ができたようです。


そのような日常品であることからも、上記1.産業用以外のマスクは、日本国内では薬事法に該当しない「雑貨品」扱いで性能検定規格を持つ事がなかったため、2000年以降各メーカーごとに表示・広告内容にバラツキが出てしまうことによるトラブルがでてきたようです。


その弊害に対応するために、2005年に設立された衛生用品業界団体により、上記の「2.医療用・3.家庭用」という自主基準が定義されました。日本の大手メーカーさんも含めて、ドラッグストア・薬局・コンビニ等で販売されているマスクのほとんどはこのカテゴリの商品となります。


薬事法に該当しない「雑貨品」と書きましたが、2.の医療用に関しては、PFE(Particle Filtration Efficiency)「微粒子ろ過効率」や、BFE(Bacterial Filtration Efficiency)「バクテリアろ過効率」などの検証を第三者機関で行う事で、高ろ過率の製品では「医療用」相当です、ということを表示しており、業界団体として安定した製品を適切に供給しようとする姿勢が素晴らしいと思います。

出典:社団)日本衛生材料工業連合会 http://www.jhpia.or.jp/product/mask/mask3.html 



【健康食品はどうなんだろう】


情報が入手しやすくなった現代において、消費者としてはこうした業界団体の真摯な姿勢・行為は当たり前のようにおもわれるかもしれません。


健康食品・サプリメントについては、機能性表示食品などの枠組はあるものの、大手・零細を含め大半のものは先のマスクのように「薬事法に該当しない食品」となっています。しかしカテゴリでは法律面(薬事法・景品表示法等)からの規定・制約事項が相当に多い事を感じます。医薬品を含めて「内容に見合わない、過度な効能を謳う広告」による利用者への弊害・トラブル(最悪は薬害など)が歴史的に深刻だったのかと思い当たります。


そのため、ホームページを含めて広告に使用する記載内容などはその表現が難しいのが実際なのですが、私個人としても会社としても、できるかぎり真摯な姿勢で、コラーゲンに関する事、製品の意図(狙い)や、適切な使用方法がきちんとお伝えできればと思います。

参考:薬害(Wikipedia) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E5%AE%B3


新型コロナウイルス禍も第2波相当の感染者数増加がみられ、先の連休の人出の影響(GoToキャンペーンも含みます)が、今後どのようにこのコロナ禍・感染者数(重傷者・志望者)の推移が非常に気になります。今なら携帯キャリアからの移動データ等から人の移動トレース・ビッグデータの活用でも様々な分析ができる事でしょう。IT系の先端技術から、さまざまな角度で有効な対策ができればと期待しています。あとはワクチンですね。

とにかく早いコロナ禍の終息を祈るばかりです。


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